それは泡のように
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ひとりでいきていく、そう決めたのはいつだったか。
夜、食器を洗いながらぼんやりと考えてみた。いつだったのかは思い出せない。
私は食器をいつも2つずつ購入する。それは10代の時からの癖みたいなもので、いつか誰かと使う日が来るかもしれないと思いながら、いつも、2つずつ購入する。まあそれが意味を持ったことはほとんどないのだけれど。
自分の生活に誰かが居てくれたらと、本当は思い続けている?否定はできない。
それでも、別に(少なくとも今は)恋人が欲しいとか、特定の誰かとどうこうなりたいとか、そういったことを思っているわけではない。というか、自分の生活に友達以上のひとが居る状態を想像できない。それなのに、ずっと2つずつ、食器を購入している。
ひとりでいきるって、なに?
依存先を増やすこと。それはそう。
じゃあ依存ってどの程度まで?相手による?それだけの距離感を模索していくしかないの?その労力はどこからくるの?
どうやったら、もっとひとと関わりながら、自分の弱さを抱きしめて、いきていけるの?
いつから。
いつから、恋愛的な意味において、あるいはそれに類似するような感情や関係という意味において。
ひとりで、いきていけるなんて、思い込んでたんだろう。
いつからこんなに、臆病になってしまったんだろう。
ひとりでいきていく、って、なに。
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